「一般病院」と呼ばれる病院の定義とは

看護師の就職・転職先の中でも最も一般的で、求人数のほどんどを占めているのが「一般病院」です。ただこの名称は少し漠然としており「一般病院って何が一般なの?」という素朴な疑問がよく聞かれます。

簡単にいえば、クリニックよりも規模が大きく、大学病院や国立病院ではない民間病院のことを一般病院と呼びます。そのため、一般病院とひと口にいっても、その規模や設置されている診療科等は、病院ごとにかなりの違いが見られます。複数の診療科が設置されており、地域医療の中核を担う病院、という位置づけも一般病院の定義としてよく挙げられます。そのため「総合病院」とほとんど同じ意味で使われることもあります。

患者さん側からみた具体的なケースとしては、クリニックで診察を受けた人が、より本格的な検査・治療を必要と判断されたときに一般病院に紹介してもらう、という形になることが多いでしょう。それを考えると、その地域で暮らす人達の健康に対し、幅広く対応できる医療機関ともいえます。

ただ、大学病院や国立病院に比べると、規模や専門的な治療環境は整えられていません。一般病院で対応しきれない高度な先進医療が必要になった際は、大学病院・国立病院で検査・治療を行うというパターンになります。そういった意味では、地域に密着したクリニックと大学病院・公立病院を結びつける橋渡し的な存在ともなっているのです。

働く側からみれば、一般病院で培ったスキルは、転職の際に心強い武器になります。日本に存在する医療機関の7割近くが一般病院で構成されているため、一般病院での豊富な実務経験があれば、転職で困るようなことはないといっても過言ではないでしょう。